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余生
何事モ十年デス。アトハ、余生ト言ツテヨイ。(太宰治『右大臣実朝』)
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しまった!
『嵐が丘』先に読んどくつもりだったのに! というわけで志村貴子『青い花』2巻。
とにかくもう漫画がめちゃくちゃうまいですよね、志村さんは。台詞回しやコマ割や吹き出しのはみ出し具合なんかがすごく心地いい。一発で作品世界に惹きこまれてしまうので、今巻ももうノリノリで読み終えてしまいました。今巻序盤でネタにされていた嵐が丘は、某ライトノベルで使われてたときに読もうと思っててほったらかしてたんですよねー。勢いで読んどけばよかったと後悔しきり。
百合ものとしても評価の高いこの作品ですが、百合という比較的湿り気の多い素材でありながら、志村さんらしいどこか醒めて乾いた空気が現出しているのが個性的です。かなりの頻度で外部──しかも百合をマイノリティ化するような単純な圧力機構ではない、クールな視点としての外部を表現しているのがポイントのように思われます。こうした外部視点は、現代百合の泰斗であるマリみてにも比較的多く登場しており、マリみても結果としてわりとクールなスタイルを獲得しています。マリみてがいまだに幅広く根強い人気を獲得しているのはこうした客観性のゆえもあるでしょう。
こうした”開放系百合”に対し、ストレート=”閉鎖系百合”はもうひとつマニアックアイテムを抜け出しきれない印象です。具体例を出せば『最後の制服』などはきわめて閉鎖系の優れた百合であり、そこに描かれる世界はあまりに閉ざされているがゆえに息苦しくも輝かしいものになっています。対して『青い花』はあちこちに風の吹き抜ける隙間を残し、そこに内包された変化の予感がはかなさの表現として成立していると言えるでしょうか。どちらがよい、というものでもありませんが、やはり開放系の方が一般性を獲得する素地を持っているのかな、と思えます。
まあ小理屈はともかく、めちゃくちゃ面白いので読んでください。

青い花 2 青い花 2
志村 貴子 (2006/12/14)
太田出版
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せっかくなので嵐が丘も貼っておくよ。

嵐が丘 嵐が丘
鴻巣 友季子、エミリー・ブロンテ 他 (2003/06)
新潮社

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